令和5年第4回定例会のうち、12月5日に行われた一般質問について、私が書き起こした全文をアップします。
一般質問については、以前の投稿(初めての一般質問を終えて)で概要をご説明しておりますので、よろしければご覧ください。
※展開がわかりやすいように、吹き出し風に文章を適宜挿入します。
※行政からの答弁については、青い囲み文字で記します。
※議場での発言には議長の許可が必要なので、実際には議員、職員ともに発言ごとに挙手→議長からの許可の流れがありますが、ここでは便宜的に省略します。
「一般質問なんて聞いたことがない」
「聞いていてもつまらない」
そんな感想をお持ちの方も少なくないと思います。
私としてもそのお気持ちがよくわかるので、手元に資料がなくても話の流れがつかみやすいように、構成や原稿は頑張って工夫しているつもりです。
3回目の一般質問となりましたが、テーマとして初めて産業振興の分野(海業)を取り上げました。
ご興味のあるカテゴリだけでも、拾い読みしてもらえたら幸いです。
※発言の内容は下記の通告書通りになります。
!!注意!!
下記の文章はあくまで私がYoutubeでのアーカイブ配信を個人的に書き起こしたものであり、正式な議事録ではありませんのでご了承ください。
議事録がアップされましたらこちらにそのリンクを追記する予定です。
↓↓↓↓↓↓↓↓
【追記】議事録が公開されたため、下記にリンクを記載します。
三浦市議会/会議録検索システム<令和 5年第4回定例会(第1号12月 5日)>
※『全文表示』ボタンをクリックすると全体像が見やすくなります。
以下発言
おはようございます。無所属の石﨑でございます。
ただいま議長からの発言の許可を頂きましたので、一問一答方式で質問を行わせていただきます。
内容につきましては、発言通告書どおりでございます。
よろしくお願いします。
こども政策について
まず初めのテーマとして、1番、こども政策についてであります。
先日、市のホームページにて、本市がこども家庭庁の提唱する『こどもまんなか応援サポーター』に就任したというお知らせが掲載されておりました。
こどもまんなか応援サポーターになるには、今日からできる身近なこどもまんなかアクションについて、SNS上で、『こどもまんなかやってみた』というハッシュタグをつけて発信を行えばいいということです。
率直に申し上げますと、この取組を最初に目にしたとき、こども家庭庁、つまり、政府がいかにもやっている感を醸成するための施策であると、そう思われても仕方がない内容だなと感じていました。
しかし、自治体がこの取組に参加することには、一定の意義があると考え直しました。自治体がこども政策を推進するという重要な意思表示の場となるからです。
ある意味、現段階でこども支援に関連する取組が不十分な自治体は、この活動に乗っかれないはずなんですよね。
その意味で、本市が早い段階で、このこどもまんなか応援サポーターに就任を決めた姿勢については、大変嬉しく思うわけであります。
あらためて、本件の意図を含めまして、本市に住むこどもたちのための取組について、市長の思いを伺わせてください。
吉田英男市長
令和5年10月31日に、三浦市は、こども家庭庁が提唱しますこどもまんなか宣言の趣旨に賛同して、『こどもまんなか応援サポーター』ということで就任をさせていただきました。
こどもまんなか応援サポーターへの就任というのは、こどもに関連する取組を広く市民の皆さんに知っていただいて、地域でこどもを育てる機運を高めていくということにつながると考えておりますし、そうしなければいけないということであります。
具体的な取組として、令和5年度では、小児医療費の対象拡大をはじめ、保護者負担を軽減するおむつの処分費の補助ですとか、給食費の補助、様々な取組を実施させていただいています。
少子化が進む中で、子育て支援に取り組むことは、三浦市に生まれたこどもたちが三浦市で育ち続けること、また、市外に住む方たちが三浦市に魅力を感じていただき、三浦市に住みたいと思っていただけることにつながるだろうというふうに思います。
今後もこどもが健やかに、誰もが安心してこどもを産み育てられる環境を整え、多くの子育て世代が三浦市で子育てしてよかったと思っていただけるような、三浦らしいあったかい子育て支援に取り組むということを念頭に取り組んでいきたいというふうに思います。
三浦らしいあったかい子育て支援、とてもいい方向性だと思います。
私も三浦でしか実現できない魅力的な子育ての形というものがあると信じています。
もちろん、今のように自治体間で子育て支援策について格差が生じてしまうこと自体も問題だと思うので、そこは、政府やこども家庭庁がしっかりと責任を持って取り組まなければならないわけですけれども、それをただ待っているわけにもいきません。
今回のサポーター就任が形式的なものにならないよう、引き続き積極的な取組をお願いします。
さて、自治体での取組ということに目を移しますと、
先日、埼玉県所沢市における市長選で当選を果たした小野塚新市長が、育休退園制度、すなわち、保護者が第2子のために育児休業に入ると、既に入園している第1子のこどもが強制的に退園を余儀なくされてしまうような制度でありますが、この廃止を宣言しました。
子育て世代の現実的なニーズに応えたすばらしい方針転換だと思います。
この育休退園という問題について、本市において在園児の保護者が育児休業を取得する場合、その在園児の取扱いについて、どのようになっているのかお伺いします。
中野正和保健福祉部長
本市におきましては、現在、保護者が育児休業を取得する場合につきましては、2歳以上は継続利用が可能でございますが、ゼロ歳から1歳児までは退所をお願いしているところでございます。
実際に育児休業中に退所した方の人数は、直近の令和3年度から令和5年度において何人いらっしゃるんでしょうか。
中野正和保健福祉部長
退所したゼロ歳から1歳児までの人数につきましては、令和3年度は4人、令和4年度は1人、令和5年度は11月末現在でゼロ人でございます。
今年度に関しては、現時点ではゼロということですが、過去には育児休業取得に伴う退所があったということになります。
このうち、継続利用を希望していたにもかかわらず退所を余儀なくされた、いわゆる強制退所となったケースが何件あったのか把握できているのでしょうか。
中野正和保健福祉部長
退所人数につきましては、在園することで保育料が発生することから、経済的負担を理由に退所する人も含まれると考えられるため、継続利用を希望していた人数は、正確に把握できておりません。
しかしながら、目安箱に投稿された意見や、窓口での手続に来られた方の意見、保育園の先生が保護者から伺った話などから、育児休業中も継続利用を希望する声はあるものと認識しております。
確かに、保育料の負担をしたくないという経済的な理由で退所するというケースも想定ができます。
しかし、私が個人的にお聞きした声を含めると、過去には少なからず継続利用を希望しながら退所となった方がいらっしゃったのだと思います。
実際に、継続利用のニーズも把握されているということですが、今後の運用についてはどう考えているのか、お伺いします。
中野正和保健福祉部長
令和6年度より、育児休業中であっても、在園児の年齢に関係なく継続利用を可能とする見直しを行う予定で準備を進めております。
これは、保留児童数が減少しつつあること、また、育児休業中の保護者の育児負担を軽減するために必要な対応であるとの考えにより、制度の見直しを行うものでございます。
来年度より、育児休業を理由としたいわゆる強制退所がなくなる方向で準備をしているということで、少し安心をしました。
マンション建設などで今後児童数が増加するエリアも出てくるかと思いますので、情報を細かく取っていってほしいと思います。
とにかく、本市が想定する子育て世代像について、前提をアップデートする必要があると思います。
共働きが当たり前となっている現在、今回質問した育児休業への対応はもちろん、例えばお母さんの勤める企業の福利厚生としての育児クーポンにサービスが対応しているかなど、これまでの想定では応えられない多様化したニーズがどんどん出てくることが予測されます。
このあたりも常にアンテナを張っておいていただきたいと思います。
さて、もう一つ、具体的な施策について確認をさせてください。
妊産婦へのタクシー助成事業についてです。
こちらは、妊産婦の経済的負担を軽減し、健やかな出産を支援するため、母子健康手帳を交付する際に、1人当たり1冊20枚、計1万円分のタクシー券を給付する事業であります。
以前の一般質問でも、本施策の実態把握を行うよう求めておりましたが、実際どのように使われているのか、タクシー券の利用状況について伺います。
中野正和保健福祉部長
令和3年度は197人に交付いたしまして、利用者数は89人、利用率は45.2%、令和4年度は142人に交付いたしまして、利用者数は103人、利用率は72.5%でございます。
利用したことのある人数割合という意味での数値は分かりました。
それでは、次に、どれくらいの枚数が使用されたのか、すなわち全体の使用率になると思いますが、実績を伺います。
中野正和保健福祉部長
令和3年度は配付枚数3,940枚のうち使用枚数は1,049枚で、使用率は26.6%、令和4年度につきましては配付枚数2,840枚のうち使用枚数は1,044枚で、使用率は36.8%でございます。
令和3年度が26.6%、令和4年度は36.8%という使用率とのことです。
率直に申し上げると、単純に低いなという印象です。
この実績については重く受け止めていただきたいと思います。
利用率の低さの要因というのが、タクシー助成というそもそもの制度設計にあるのか、1万円という金額にあるのか、母子手帳交付から1年以内という有効期限にあるのか、しっかりと検証してもらわなければなりません。
まずは早急に、妊婦さん、産婦さんがどのフェーズでこの制度を使っているのか、もしくは使われていないのか、もう少し細かい分析を行うべきだと思います。
配付されているタクシー券には、市が台帳管理している交付番号が記載されているわけですから、そこは確実に集計できるはずなんですね。
その上で、この事業が誰のどのようなニーズに応えるものだったのかという、そもそものビジョンをゼロベースで見直していただきたいと思います。
決してこの事業自体を否定したいわけではありません。
実際、こうした妊産婦の移動支援に市が実際に予算をつけて動いてくれているということは、子育ての当事者としても心強く感じておりました。
あくまでもう少し実情に沿った施策にブラッシュアップしていってほしいということです。
本事業が始まって今年で3年目ということになりますが、そろそろその総括を行う段階に来ているのではないでしょうか。
さて、質問を(3)のこどもの遊び場整備に移します。
令和4年度の事業として、地域にある公園の遊具について点検を実施したと認識していますが、あらためてその結果がどのようなものであったのかお聞きします。
堀越修一都市環境部長
令和4年度に三浦市公園遊具点検業務委託を実施いたしまして、専門技術者による腐食等がないかを点検する劣化診断と、遊具の安全を点検する基準診断によります総合的な機能判定を行いました結果、50公園の118の遊具中、支柱の劣化や安全領域不足等により、20の遊具を使用禁止といたしまして、今後撤去を予定しております。
遊具の劣化だけではなくて、安全性の見直しが不十分で、近年もこどもが痛ましい事故に遭うケースは少なくありませんので、こうした総点検を実施したことは非常にすばらしいと思います。
この点検のタイミングに合わせ、本年度には公園の遊具についての大規模なアンケートを行ったと聞いていますが、その内容や結果がどのようなものであったのか伺います。
堀越修一都市環境部長
令和5年7月から8月までの間、市内の8小学校と4保育園、並びに、7月から9月までの間に実施をいたしました乳幼児健診の受診者など、合わせて約1,900人の方を対象に、遊具の設置計画を検討するため、現在利用している公園や利用の目的、遊具の種類、このほか設置を要望する遊具等につきまして、アンケートを実施いたしました。
その結果、345件の回答を頂き、その結果といたしましては、利用頻度の高い公園として、宮川公園や潮風スポーツ公園のような敷地の広い公園が多く、利用目的といたしましては、遊具での遊びが多く、よく遊んでいる遊具といたしましては、滑り台、ブランコ、複合遊具の順でありました。
また、設置を要望する遊具につきましては、複合遊具、ブランコ、滑り台の順で要望件数が多いという結果になりました。
このアンケートの結果を受けて、今後どのように公園整備を進めていくのか、その方向性についてお尋ねします。
堀越修一都市環境部長
公園の遊具につきましては、遊具周辺の障害物に配慮しました安全領域の確保など、まずは公園利用者の方々が安全に利用できる状況にしていくことを基本といたしまして、限られた財源の中で地域や利用者のニーズに対応するため、アンケートによって得られた集計結果や意見、これを基にですね、遊具の撤去をしました公園を対象に、こどもたちのニーズがある遊具を設置していく計画でございます。
今回の点検より以前から、公園の遊具の一部、例えばブランコの座面などが撤去されたままで、長年取替えを要望している地区もあると伺っています。
行政としては、限られた財源の中で公平性の担保という難しいバランスを取りながらの整備が求められることになりますが、可能な限りニーズに応えられる公園の整備をお願いします。
さて、公園は、外遊びにおける重要な施設になるわけですが、こどもの遊び場は屋外だけではなく、屋内にも必要になってきます。
雨の日などでも安心して遊べる屋内の環境が欲しいという声は、特に乳幼児を育てられている保護者からの要望として、数多く聞き及んでおります。
現在、乳幼児を対象とした屋内のこどもの遊び場として市内に設置されているのは、上宮田小羊保育園内にある子育て支援センターになります。
子育て支援センターは、遊び場を提供するだけではなくて、育児に関する相談にも対応しており、実際の利用者からは、先生の対応がとてもいいというような声も多数頂いています。
しかしながら、コロナ前は予約なしで自由に利用できていた同センターですが、現在でも予約制が継続されており、好きな時間に自由に利用できる場所ではなくなっているということも事実です。
こどもの遊び場についての要望が数多くある中で、まず、既存の施設である子育て支援センターの利用方法について、今後、改善の検討は可能であるのか伺います。
中野正和保健福祉部長
子育て支援センターにつきましては、現在、事前予約制にて、午前、午後、各8組程度の親子を受け入れております。
事業者からは、現在の運営方法により事前に人数や対象者を把握できることで、こどもと親の様子を気にかけながら、育児相談も随時行うことができており、きめ細やかな対応を継続できていると伺っております。
しかしながら、いつでも自由にこどもを連れて遊べる場所が欲しいという市民の声があることは認識しておりまして、今後、市民の要望を事業者にも伝えながら、より効果的な運営方法について検討してまいりたいと考えております。
確かに人数制限をしているからこそ、きめ細やかな対応ができるという部分は間違いなくあるかと思います。
しかし、相談対応のきめ細かさだけではなくて、広く地域に開放された親子の居場所という役割を担える拠点は、さまざまな意味で重要になってくると思います。
子育て支援センターが保育園に併設されており、職員もそこに所属していることから、園の行事があるときには使えなくなってしまうなど、その性質上、利用が制限されてしまうという問題もあるかと思います。
また、そもそも論として、立地や受入れ可能な人数がネックとなり、子育て支援センターを十分に活用できていないお子さんがいらっしゃるのも事実だと思います。
室内の遊び場というニーズについては把握しているということですから、あとは柔軟な発想で整備方法を考えていただきたいところです。
ちなみに、現在、新庁舎を含めた三浦市市民交流拠点整備事業が進められていますが、この事業の中で、こどもの遊び場が整備される予定はあるのか、あらためてお聞かせください。
徳江卓市長室長
新市庁舎におけますこどもの遊び場につきましては、担当部署の意見を聞きながら協議をしている状況でございます。
現在設計中ではございますが、新庁舎内の吹き抜け部分となるパブリックスペースにこどもが遊べるような場所を設けていく考えでございます。
具体的なスペースまで想定しながら検討していると確認ができて、少し安心をしました。
とにかく、本市は、こどもが安心して遊べる場所が本当に少ない、これはもはや周知の事実だと思います。
これまで確認してきたように、本市のソフト面からの子育て支援は充実してきています。
あとは、遊び場整備といったハード面からの子育て支援の優先順位をさらに高めていってほしいと思います。
先月には、私が所属している都市民生常任委員会の行政視察として、福岡県大川市のモッカランドという子育て支援拠点を見学させていただきました。
妊娠期から子育て期までワンストップで支援ができる、非常に魅力的なすばらしい施設でした。
これからの三浦を支える若くて担税力のある若年層の満足度を高める上でも、こういった拠点整備は絶対に必要であると考えています。
ぜひ、冒頭でも確認したこどもまんなかのお考えの下、遊び場づくりについても引き続き推進をお願いします。
続きまして、(4)バス通学の状況に話を移します。
小学校通学環境整備事業の2本柱のうちの一つとして、本年10月より、高円坊地区でのスクールバス運行が開始されました。
実際に運行が始まって2か月ほどが経過したわけですが、現在の状況について伺います。
増井直樹教育部長
高円坊地区と初声小学校をつなぎますスクールバスは、令和5年10月2日から運行を開始いたしました。現在、登下校ともに往復2便を運行しております。
学校の授業がある日だけではなく、運動会や土曜参観日などにも、学校の実情に配慮した運行をしているところでございます。
直近で、このスクールバス運行に関する保護者との意見交換会があったと聞いていますが、どのような意見があったのかお聞かせください。
増井直樹教育部長
バス利用児童の保護者さん等の意見交換会、こちらを令和5年11月22日に実施しました。
スクールバスの運営に関するご意見やご要望をお聞きしたところです。
保護者の皆さんからは、便利に利用しているといった声や大変感謝しているといったお言葉を頂けました。
その中でも2つ要望を頂きまして、運行経路上に乗車場所をもう一か所設定していただけないか、朝の運行時間はもう少し設定を変更していただけないかというものでございました。
今後は、安全面の確認などを行いまして、早期に対応を検討したいと考えております。
前向きな意見が多かったとのことで、ひとまず安心をしました。
既に具体的な要望も上がっているとのことですので、迅速な対応に期待しています。
児童たちがバス通学に慣れてくるこのタイミングで、気の弛みなどから思いがけないトラブルが起こる可能性もゼロではありません。
行政としても油断せず、引き続き児童の安全に目を配っていただければと思います。
さて、小学校通学環境整備事業のもう一つの柱である定期券購入費の補助についてです。
公共交通機関を利用して通学している児童、保護者の負担軽減を図るため、本年4月より定期券購入費の2分の1相当を補助するとのことでしたが、実際の購入補助費の進捗を伺います。
増井直樹教育部長
補助金の交付要領を10月に整備いたしまして、令和5年4月の利用からの分を保護者の申請を受け付けたところです。
上半期の申請数ですが、現在のところ35件ありまして、補助金の総額は約18万円でございます。
現状35件の申請、補助金額は約18万円とのことですが、この実績は、教育委員会として想定内の規模であったのか伺います。
増井直樹教育部長
令和5年度の当初予算積算におきましては、実人数で40名を見込んでいたために、教育委員会の想定内の数字であったというところです。
想定内であること、承知しました。
引き続き継続していく事業かと思いますので、新入生の周知の徹底や申請の簡略化などの検討も併せてお願いします。
さて、三崎東岡から釼崎経由で三浦海岸に向かう路線バスにおいて、令和5年10月にダイヤ改正がありましたが、その影響について伺います。
増井直樹教育部長
三崎東岡から釼崎経由で三浦海岸に向かう路線のダイヤ改正がありまして、影響が考えられますのは、南下浦小学校、剣崎小学校及び南下浦中学校に通う児童・生徒であったと思います。
ダイヤ改正により、南下浦小学校では、下校の時間に適した時刻に運行しているバス、こちらの時刻が早まってしまいました。
改正後も、教職員の下校指導によりまして、バスに乗り遅れることがなく下校ができているところです。そのほか、登校時の乗車に適しました時刻に運行していたバスの時刻変更もございました。
このため、利用するバスが混雑するようになり、一般利用されている方々から少し不満の声が聞かれるということも聞いております。
今回のダイヤ改正では、教育委員会や学校へ事前に事業者からの情報の提供がございませんでしたので、学校といたしましては、急な対応が必要となりました。
南下浦小学校と剣崎小学校は統合を控えておりますので、朝夕の通学時間帯のバスの増便も相談しなければならないと考えておりますので、今後は、事業者と調整を図っていきたいと考えます。
状況はよく分かりました。
実際、該当バスを使って通学する児童や保護者からは、突然のダイヤ変更に戸惑いの声もあったというふうに聞いています。
今回、事業者からの事前情報がなかったとのことですが、この路線については、かねてより懸念されていた統廃合後のバス通学への不安を解消していくという意味で、行政としてももっと注意深くアンテナを張っていなければならなかった部分だというふうに思います。
先ほどの答弁の中にもありました通学時間帯のバス増便というミッションにおいても、もっと積極的にバス事業者と関わっていく必要があるのではないでしょうか。
また、小児バス運賃の定額化などにより、当初想定していた定期券補助という形でのバス通学支援ももう一度見直しが必要になってくるかもしれません。
いずれにせよ、バス事業者との交渉は引き続き必須になると思いますので、あらためて能動的な働きかけをお願いします。
これからの海業について
さて、2番目のテーマ、これからの海業についての質疑に移ります。
本市は、令和5年度を海業元年と位置づけ、様々な取組が実施され、また予定されています。
それぞれの内容については、これまでの一般質問等でも多くの議員に取り上げられておりますが、あらためてその方向性について問いたいと思います。
まず、確認したいのが、本市の海業推進にとって重要なポジションを占める観光拠点施設『うらり』の総括であります。
『うらり』の開設から22年が過ぎましたが、当時、本市の経済活性化のキーワードである海業の形を具現化したこの施設の総括なくして、今後の海業については考えられないと思います。
初めに定量的な部分の確認になります。
『うらり』の来客者数と売上高のこれまでの推移について、コロナ禍における減少もあったかと思いますが、直近の回復状況も含めて伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
『うらり』は平成13年7月に開設されましたが、その翌年度の平成14年度の来客者数は約86万5,000人であり、売上高は約6億2,500万円でありました。
他方、コロナ前となる令和元年度の来客者数は約125万4,000人、売上高は約8億1,500万円であり、開設当初と比べると、来客者数、売上高とも増加しております。
議員のおっしゃるとおり、新型コロナの影響により、令和2年度は来客者数が約110万人、売上高は約6億600万円となり、ともに落ち込みを見せたものの、令和4年度には来客者数が124万4,000人、売上高は約7億7,700万円となっており、回復傾向でございます。
開設当初と比較して、来客数、売上高ともに増加していること、また、コロナ禍からの回復傾向が見られることは承知しました。
あらためてこの22年間という歳月の中で、『うらり』がもたらした成果というものを定性的な部分も含めてお伺いします。
鳩野弘毅海業水産担当部長
三崎地区の観光客数は、『うらり』の開設前の平成12年には約85万6,000人でございましたが、コロナ前の令和元年には約224万8,000人であり、約2.6倍の増加となっております。
『うらり』の来客者数は令和元年度が約125万4,000人と、観光客数の増加には『うらり』の存在が大きく寄与している状況であり、その意味からも、『うらり』は三崎地区の観光の拠点として大きな役割を果たしております。
また、三崎マグロや地場の海産物、農産物を取りそろえる直売施設である『うらり』は、これらの消費拡大や認知度の向上の効果が期待できる施設でございます。
さらに、『うらり』を起点とした観光遊覧船やレンタサイクルなどの展開により、来遊者の回遊性の向上にも寄与する役割も担っており、まさに海業を体現する施設でございます。
今日において『うらり』は、三崎地区の地域活性化にとってなくてはならない存在となっており、その開設は大きな成果であったと感じております。
『うらり』がもたらした様々な効果について、大きな成果として認識していることが分かりました。逆に、課題について、どのように認識しているのかを伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
『うらり』は、整備から22年経過しており、建物の老朽化が進んでいることが課題となっております。
また、『うらり』の周辺には宿泊施設をはじめとした観光客が長時間帯在するための施設が少ないことや、さらなる観光客を呼び込む施設が少ないこと、また、このような観光客を受け入れるための駐車場の不足などが課題であると認識しております。
まさに本定例会でも議案として提出されている実施事業者選定審議会条例の基となる『三崎漁港海業振興を目指す用地利活用プロジェクト』が、こうした課題への今後の取組として挙げられるのだと思います。
今、答弁のあった課題というものを踏まえた上で、このプロジェクトが目指すものについてお聞かせください。
鳩野弘毅海業水産担当部長
三崎漁港(本港地区及び新港地区)海業振興を目指す用地利活用プロジェクトにおきましては、三崎漁港における水産業、海業の振興と密接な連携を図りながら、『うらり』の改修及び三浦市が指定する事業用地を活用しまして、海業による滞在時間の延長、老朽化した既存の集客資源の更新による魅力の向上、地区の活性化を図り、三崎漁港の魅力を高めることを目指すものでございます。
三崎漁港の魅力向上というのは、間違いなく本市における海業推進の肝になります。これから見えてくる具体的な提案内容に期待したいと思います。
さて、『うらり』を含めた三崎漁港から少し離れまして、(2)市営漁港における取組に移ります。
令和4年3月の閣議決定で、海業が水産基本計画及び漁港漁場整備長期計画の中に位置づけられたことで、漁港の活用という機運が全国で高まっているかと思います。
本市においても海業推進に向けた取組の一つとして、市営漁港の活用が進められていますが、そもそもこの取組が必要となった前提の部分として、市営漁港の現状がどのようなものであるのか伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
市営漁港を利用する市内漁業者数は年々減少しておりますが、この理由の一つとして、水産資源の減少に伴う漁獲量の減少により、漁業収入だけで生計を維持することが困難となっていることが挙げられるところでございます。
他方、市営漁港では、漁業者数の減少により漁業利用はされず、未利用となっている場所も生じている現状がございます。
このような課題を解消するためには、漁港内の未利用地を活用し、地域資源を生かした漁業と親和性の高い事業を展開し、漁業者の所得向上、新たな雇用の創出を図るための海業の取組が必要でございます。
本市は、昭和60年に海業を提唱し、推進してきた海業発祥の町でございます。
市営漁港においても、海業の取組により漁港の活性化を図ることとしたものでございます。
漁獲量の減少に伴う漁業収入の低下が漁業者数の減少につながり、必然的に市営漁港でも活用されなくなった未利用のスペースが生じてきたと。
この流れが漁港活用が求められる背景にあるのだということです。
ちなみに、漁業者数が減少しているとのことでありますが、市営漁港における漁業者の地区ごとの減少状況について伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
平成20年の市営漁港の地区ごとの漁業者数は、上宮田が55人、金田湾が129人、松輪が124人、毘沙門が38人、初声が58人でございました。
他方、平成30年は上宮田が23人、金田湾が103人、松輪が85人、毘沙門が35人、初声が38人であり、10年前と比べ、漁業者数はいずれの地区においても減少となっております。
全体的に減少傾向であり、地区によってはここ10年で大きく減少していることが分かりました。
現時点で、既に駐車場整備などが具体的に進んでいる間口漁港に次いで、上宮田地区の北下浦漁港と金田漁港の2か所の整備に着手しているという認識でおりますが、他の市営漁港もある中で、この2つの漁港について取り組むことを決めた理由について伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
漁港の立地状況や地元漁協の意向等を踏まえ、活用可能性が高いと考えられる北下浦漁港、上宮田地区及び金田漁港について先行して取組を進めることとしたものでございます。
まずは、横須賀から三浦にかけての玄関口となる両漁港について取り組んでいくということなのだと思います。それぞれの進捗については、どうなっているのでしょうか。
鳩野弘毅海業水産担当部長
漁港の利活用による海業推進に取り組むためには、様々な課題を解消していく必要がございます。
例えば国庫補助を受けて整備している漁港施設は、海業による活用をする場合、補助目的と異なる利用形態となるため、財産処分や漁港施設用地利用計画の変更など煩雑な手続が必要となります。
また、北下浦漁港上宮田地区に関しては、横須賀市が漁港管理者であり、取組を進めるためには横須賀市とも調整を図っていく必要がございます。
両漁港とも海業推進の取組は公民連携により進めていくことを想定しておりまして、活用可能な地区に対し事業者募集を行うことを考えておりますが、現在、事業者募集に向け、こうした課題を一つ一つ解消するための調整を進めているところでございます。
市営漁港の整備と活用には、さまざまなハードルがあるということです。
確かに漁港は公共施設であり、占有期間や占有者の要件に一定程度の制限がかかるなど、利活用に関しては制度上の課題もあるかと思います。
この部分については、どのような認識を持っているのか伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
制度上の課題としましては、漁港管理者が管理する漁港施設が公の施設であることから、占用期間が最大でも10年とされておりまして、また、一般的に占用を行う者は、国や地方公共団体または水産業協同組合といった公共的団体等に限るべきとされ、漁港において海業を展開する上で、民間の参入や投資がしづらい環境であったと認識しております。
他方、漁港漁場整備法の改正により、法目的に漁港の活用促進が追加されるとともに、一定の条件の下ではありますが民間の参入が可能となり、合わせて最大で30年、行政財産である漁港施設の貸付けや水面などの占用が可能となります。
こうした制度改正をうまく活用することで、海業を推進しやすくなるものと認識しております。
漁港漁場整備法の改正という制度上の後押しも出てきたということなのだと思います。
漁業者と参入する事業者がwin-winな関係になれるというのはもちろんですが、個人的には、近隣の住民にもメリットがあるような、地域に開かれた漁港活用が行われていくことを願っています。
さて、最後のテーマになりますが、(3)若年層へのアプローチに移ります。
ここで言う若年層とは、当然ながらこどもも含めた若年層ということになります。
海業の推進により、海での働き方も多様になってくるはずです。というより、ここの多様化を図っていくこと自体が、海業の目的の一つなのだと思います。
そうであるならば、本市の海業を市外にアピールするだけではなくて、これからの海業の担い手となっていく可能性のある市内に住む若年層を巻き込んだ啓発活動も大切になってくると考えます。
鳩野弘毅海業水産担当部長
議員のおっしゃるように、海業の推進により、海での働き方も多様になるものと考えております。
漁業をはじめ、海業関連産業の仕事に一人でも多くの市内若年層の方々が就業してもらうためには、市内の若年層に対する啓発の取組は大切なことと考えております。
それでは、市内の若年層に対する啓発活動として、どのような取組を行っているのでしょうか。
鳩野弘毅海業水産担当部長
若年層も含め、多くの方々に海業を知ってもらうために、本年7月17日に開催された海業フェスタ@みうら・みさき海の駅で、三浦市の海業の取組を分かりやすくまとめたパネルを作成し、三浦市役所を中心とした『うらり』整備をきっかけとした観光振興、現在公民連携により進めている二町谷地区海業プロジェクトの概要を紹介しております。
まずは、身近なイベントを通じて取り組んでいくということなのだと思います。
市内の若年層に対する啓発の取組として、今後考えているものがあるのか伺います。
鳩野弘毅海業水産担当部長
現時点で取組について具体的に決まっているものはございませんが、先ほども答弁申し上げたとおり、市内の若年層に対する啓発の取組は大切なことと考えており、まずは市営漁港における取組などを推進し、市内の若年層への啓発事例となるよう努めていく考えでございます。
二町谷に日本さかな専門学校が開校されたことを含め、これからの取組に大いに期待するところであります。
私が小さい頃、海の仕事としてまず連想されるのは、家業として代々伝わる漁師であり、私には縁遠いものだと思っていました。
しかし、海業を推進することにより、海に関わる仕事が多様なものとなり、より多くの人が関わっていける産業になり、それが結果的に三浦の発展につながるということなのだと思います。
本市のこどもたちにとっても、みうらっこのアイデンティティーの醸成という、ある種の教育的な視点だけではなくて、海業の中にあるビジネスとしての面白さやポテンシャルなどもしっかり伝えていってほしいと思います。
この海業のそもそもの狙いや概念について、まだまだ市民へ浸透し切っていない部分もあるでしょうし、行政としてもっと詰めて考えなければならないことも少なくないと思います。
本市が海業発祥の地としてのアドバンテージを持っていることはもちろん重要ですが、だからといって、ほかの自治体から学ばなくていいということにはなりません。
実際、漁業に関わる地域資源やコミュニティーをうまく活用し、海業へと昇華させた漁村や漁港の成功例は少なくありません。
本市が海業発祥の地として視察を受け入れるだけではなくて、謙虚な姿勢でこうした成功事例を視察しに行くということも必要になってくるのではないでしょうか。
個人的には、観光という領域のほかにも、海業の土台部分となる水産業への支援について、もっと本腰を入れなければならないと考えていますが、そのテーマは、次回以降での一般質問に譲りたいと思います。
以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
発言を書き起こした文章は、以上になります。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
石﨑遊太