【令和5年第3回定例会】一般質問 全文書き起こし

令和5年第3回定例会のうち、9月8日に行われた一般質問について、私が書き起こした全文をアップします。

このタイミングになってしまい申し訳ございません。

一般質問については、以前の投稿(初めての一般質問を終えて)で概要をご説明しておりますので、よろしければご覧ください。

※展開がわかりやすいように、吹き出し風に文章を適宜挿入します。

※行政からの答弁については、青い囲み文字で記します。

※議場での発言には議長の許可が必要なので、実際には議員、職員ともに発言ごとに挙手→議長からの許可の流れがありますが、ここでは便宜的に省略します。

「一般質問なんて聞いたことがない」

「聞いていてもつまらない」

そんな感想をお持ちの方も少なくないと思います。

私としてもそのお気持ちがよくわかるので、手元に資料がなくても話の流れがつかみやすいように、構成や原稿は頑張って工夫しました。

ただ、今回は少し長すぎたというか、詰め込みすぎたと反省する部分もありまして…

ご興味のあるカテゴリだけでも、拾い読みしてもらえたら幸いです。

※発言の内容は下記の通告書通りになります。

!!注意!!

下記の文章はあくまで私がYoutubeでのアーカイブ配信を個人的に書き起こしたものであり、正式な議事録ではありませんのでご了承ください。

議事録がアップされましたらこちらにそのリンクを追記する予定です。

↓↓↓↓↓↓↓↓

【追記】議事録が公開されたため、下記にリンクを記載します。

三浦市議会/会議録検索システム

※令和5年第3回定例会→第1号 9月8日の順にクリックで閲覧できます。



以下発言

石﨑遊太

無所属の石﨑でございます。ただいま議長からの発言の許可を頂きましたので、一問一答方式で質問を行わせていただきます。

内容につきましては発言通告書どおりでございます。

若干質問項目が多くなっておりますけれども、できるだけ簡潔に分かりやすさを意識して進めたいと思いますので、どうぞ最後までよろしくお願いします。

目次(クリックで飛べます)

子育て支援策全般について

石﨑遊太

まず初めのテーマとして、1番、子育て支援政策全般についてになります。

前回の一般質問でも取り上げたテーマでございますが、もう少し深掘りさせていただきます。

令和5年4月、国の法律であるこども基本法が施行され、全ての子どもが等しく健やかに成長できるよう、子どもに関する様々な取組を講ずるための基本理念が示されました。

個人的にはですね、これだけ少子化が進むこと、そして、子どもたちへの支援強化の必要性が明らかな中で、なぜもっと早くこうした法整備が進まなかったのか、そこに疑問を感じざるを得ません。

しかし、その部分はさておきですね、子どもを社会の中心に据えて、子どもの視点で子ども施策の検討、推進をするための根拠法が生まれたことは評価すべきだと思います。

本法の成立に伴い、三浦市の子どもを取り巻く諸課題に対処するためには、市の子ども対策に対する考え方を明確にするための独自条例の制定を進めるべきだと考えますが、この部分についての見解を伺わせてください。

お願いします。

中野正和保健福祉部長

こども基本法の制定により、子ども施策を総合的に推進するための地方自治体の責務や義務も明確化され、今後は、子ども施策に関する基本的な方針や重要事項等を一元的に定めるこども大綱が国より発出されることになっております。

本市におきましては、こども基本法と今後示されるこども大綱の定めに沿って、三浦市子ども・子育て支援事業計画の改定作業を含め、基本法の趣旨にのっとった政策を推進していきたいと考えております。

本市の独自条例の必要性につきましては、大綱の制定や計画改定の内容を踏まえ、本市の実情や今後の課題を見極めながら、今後、検討を行ってまいります。

これから示される大綱との整合性を取るという意味で、大綱の内容を確認してから具体的な動きを進めていくという方向性は理解ができます。

しかし、現状の課題抽出や、既に子どもに関する条例を制定している自治体を研究するなど、大綱が出ていない状態でも取れるアクションは少なくないと思いますので、前向きな検討をお願いします。

ちなみに、こども基本法第11条では、子どもの意見を子ども施策に反映する仕組みづくりを地方公共団体に求めています。

実際に条文を読み上げます。

「こども基本法第十一条。国及び地方公共団体は、こども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」

こういう条文なんですね。

2016年に改正された児童福祉法の第2条では子どもの意見反映というのは努力規定となっていましたが、本法によって、子どもの意見反映というものが実質義務規定となったわけであります。その意味で、この条文は本法の理念を象徴する意義のある定めであると思います。


現在、本市において子どもの意見を反映させるための施策ができているのか伺います。

中野正和保健福祉部長

こども基本法の制定により、子供などの意見を反映した施策の策定や、実施、評価を行う仕組みづくりが求められておりますが、本市においては現時点では実施しておりません。

現時点では実施していないとのことですが、今後、実施を予定している施策はあるのでしょうか、教えてください。

中野正和保健福祉部長

こども基本法の制定を受け、子どもの意見を反映させる取組としましては、三浦市子ども・子育て支援事業計画の進行管理を行う子ども・子育て会議への参加や、子どもへのニーズ調査などの実施に向けた検討を行っております。

さらに、他市の実施状況を参考にしながら、より効果的な施策について継続して検討を進めてまいります。

  

既に子どもの意見反映のための施策について検討を行っている段階とのことですので、できるだけ早いタイミングで実施まで持っていけるようなスケジューリングをお願いします。

この子どもの意見反映という部分につきましては、既に独自条例を制定したり、独自施策を実施している自治体においても、実際の成果に結びつけることの難しさに直面していると聞きます。

ですが、そうやって子どもや若者を社会形成の主体として位置づけた上で施策を考え抜くプロセス自体に意味があると思います。

また、子どもの意見を聞く主体というものは必ずしも行政だけではなくて、我々議員にも課された責務だと考えています。

子どもに関する条例の制定も含めて、行政と議会の両輪でよりよい子ども施策が実現していくことを願います。

石﨑遊太

さて、少し大きな法律、条例という枠組みの話はここで終わりにしまして、幼保支援の個別の施策について掘り下げていきたいと思います。

本市においても子どものための支援策がさまざまな形で行われていることを、前回の一般質問で確認させていただきました。

まず、保育の受入れを拡充するためには保育士の確保が不可欠であると確認したところでしたが、保育士の確保のため、就労説明会を開催する予定と伺いました。

その実施状況がどのようなものであったのか、教えてください。

中野正和保健福祉部長

今年度は令和5年6月25日の日曜日に市民交流センターニナイテで実施いたしまして、保育園4園、放課後児童クラブ3クラブが参加いたしました。来場者数は11名でございました。

来場者数については、率直に申し上げると決して多い人数ではないという印象です。

今後、就労説明会の在り方を含めて、保育を希望する市民の要望に応えるため、どのように保育士確保を進めていくのか、改めて市としての考え方を伺いたく思います。

中野正和保健福祉部長

おっしゃるように、就労説明会につきましては来場者を多くすることが課題となっております。

保育園園長会と共に検証を行い、実施時期や周知方法などを見直し、来年度も継続して実施する方向で検討しております。

そのほか、本市の実情に合った取組を行うために各保育園に赴きヒアリングを実施したほか、各市の保育士確保策の実施状況の把握を行っており、より効果的な保育士確保策の実施に向け、継続して検討してまいりたいと考えております。

  

前回も要望しましたが、保育士確保策というのは、保留児童の解消やゆとりある安心・安全な保育体制を整えるために必要不可欠なものであると考えています。

就労説明会の開催方法のブラッシュアップはもちろん重要なんですけれども、もっと根本的な部分といいますか、三浦で保育士として働きたくなるようなモチベーションを喚起する施策というのを、お金をかけることも含めて充実させていかなければならないのかなと思います。

引き続き、検討をお願いします。

さて、前回、ファミリー・サポート・センター事業の実施状況について伺いまして、活動件数も増え、地域ぐるみの子育て支援が定着しつつあるということを確認いたしました。

より定着度を高め、活動が広がっていくためには、もう少し利用しやすい制度設計が求められると思っています。

実際に登録するにあたり、子どもを預ける側の会員、すなわち依頼会員になるためにはどのような手続が必要か確認させてください。

中野正和保健福祉部長

依頼会員になるためには、窓口や郵送で登録書類一式をお渡しし、活動内容を理解していただいた上で、登録申請書を写真つきで提出していただいております。

それでは、次に、預かる側、すなわち提供会員になるためのプロセスを教えてください。

中野正和保健福祉部長

提供会員になるためには、援助活動を行う上での必要な知識を習得するため、年1回開催する研修会に参加していただきまして、修了後に活動可能な条件などを記載した登録申請書を提出していただきます。

また、令和5年度より、提供会員としての登録に当たりまして、保育士や保健師、助産師などの子育てに関する専門的な知識を有すると判断できる資格がある場合には、研修会の受講を免除することとしております。

それぞれの会員の登録方法について理解しました。

地域ぐるみの子育てに多くの方に参加してもらうためには、会員の確保のための取組というのが重要になってきます。

今お話を聞いてぱっと思うのは、まず、依頼会員になるための紙媒体の申請というものをオンライン上でも可能にするべきではないかなというところです。

乳幼児を抱えながら市役所に出向くことだけでも、親御さんにとっては大変なことになります。

そして、現時点では提供会の情報というのが可視化されていないことも問題かと思います。

例えば実際に依頼会員の申請に行ったけれども、徒歩圏内に提供会員さんがいなかった、結局サービスが利用できなかった、そんなミスマッチも想定されます。

個人情報保護の絡みもありますが、少なくとも申請前の状態で、どのエリアに何人くらいの提供会員さんがいるのか、これが可視化されるだけでこうした事態も避けられると思います。

提供会員に関しては、有資格者の登録についてハードルを下げたこと、ここは柔軟ですばらしい修正点だと思いますが、年に1回となっている研修会の回数を増やすなど、さらなる工夫が必要なのではないでしょうか。

すみません、要望がちょっと長くなりましたけれども、次に、産後ケア事業についてです。

産後間もない産婦さんの心身のケアと育児サポートを行う本事業につきまして、本市で実施している宿泊型、デイサービス型、訪問型のそれぞれの利用状況について伺います。

中野正和保健福祉部長

令和4年度の実績では、宿泊型、デイサービス型はゼロ件、訪問型は21件でございます。

訪問型21件と、一定のニーズがあることが分かりました。

本年度より、産後ケア事業に関しては、対象の拡大や所得制限の緩和など、希望する人がより活用しやすくなるような国の動きがあったかと思います。

本市の利用者数について、宿泊型、デイサービス型の利用が少ない、というよりゼロであるということをどう受け止めているのか教えてください。

中野正和保健福祉部長

宿泊型、デイサービス型につきましては利用者の少なさを課題として認識しているところでございますが、訪問型につきましては令和5年8月末時点で23人となっており、既に令和4年度の実績を超え、増加傾向にございます。

訪問型は施設を利用せずに自宅においてケアを受けることができ、2時間で500円という利用しやすい料金設定も併せ、ニーズが高いものというふうに認識しております。

法改正も踏まえ、引き続き、利用希望がある場合には利用の意向に沿えるように努めるほか、宿泊型、デイサービス型の利用促進のため、効果的な周知方法につきましても検討してまいりたいと考えております。

  

訪問型の2時間で500円、ワンコインですね、その料金設定は非常に利用しやすくて、今後も継続していただきたいと思います。

宿泊型、デイサービス型については、やはり訪問と比べてどこかに行かなければならないということで申込みのハードルは上がるかと思いますが、まずは例えば提供施設を公表するなど、情報をもっとオープンにしてもよいのかなと思います。

利用対象者についても、現在特別に制限がなされているわけではないかと思いますが、特に支援が必要と認められる方じゃなくても、誰でも等しく自由にサービスを選択できる制度設計と周知施策が求められるのではないでしょうか。

続いて、病後児保育体制に話を移します。

第2期三浦市子ども・子育て支援基本計画では、令和6年度をめどに病後児保育を1か所で実施できるよう目指すとされていますが、現時点での進捗を伺いたいと思います。お願いします。

中野正和保健福祉部長

これまで病後児保育事業の実施に向けた検討を行ってきましたが、現時点では実施できておりません。

今年度、ファミリー・サポート・センター事業におきまして、相互援助活動の中で病後児の受入れを実施する予定でございまして、引き続き、事業の実施に向けた検討を続けながら、病後児の預かりニーズに対応できる仕組みを整えてまいりたいと考えております。

 

ファミリー・サポート・センター事業で病後児保育を開始するとのことですが、検討内容の詳細と進捗状況を教えてください。

中野正和保健福祉部長

令和5年11月14日から17日に予定されているファミリー・サポート・センターの提供会員向け研修におきまして、病後児保育コースを新設して実施する予定であり、現在準備を進めており、参加者の募集につきましては準備が整い次第、開始いたします。

本コースの研修を修了した会員に病後児預かり可能な提供会員として登録していただきまして、登録が完了してから預かりを開始する予定でございます。

 

病児保育が市の施策として現時点では実施できておらず、相互援助活動の中で行うスキームを検討していることが分かりました。

病児・病後児の預かりについては、行政だけでなくて、民間事業者でも実施しているところがあるかと思いますが、三浦市での状況はいかがでしょうか、教えてください。

中野正和保健福祉部長

病児・病後児の預かりを実施している民間事業者は、現在市内にはございません。

認可外保育施設として県に登録しているベビーシッターにつきましては、今年度初めて1名の登録がございました。

 

民間事業者の参入については行政が立ち入ることが難しいかもしれませんが、市としてサービス提供が行えていない以上、参入に期待したいところであります。

また、登録があった1名の病児・病後児預かりが可能なベビーシッターについては、可能な範囲で周知をしていただきたいと思います。

さて、次に、未就学児の通園に関してです。

昨年、静岡県で起きた幼児の通園バスでの置き去りによる痛ましい事件が起きてから1年が過ぎました。本当に生まれたばかりの娘を持つ身としましても、亡くなった園児や親御さんの無念を思うと胸が張り裂けそうになります。

この事件を受けて、国は園児の所在確認や通園バスへの安全装置の義務づけなど対策を講じているところかと思います。本市では具体的にどのような対応を行ったのか、伺わせていただきます。

中野正和保健福祉部長

通園バスに関する安全対策としましては、市より保育所などへ、国からの安全管理の徹底に関する通知や安全マニュアルを送付したほか、保育所などの職員を対象とした安全管理研修への参加を促すなど、安全対策を呼びかけいたしました。

また、未就学児の送迎用バスに安全装置の設置が義務づけられたことから、令和5年度当初予算におきまして、各保育所などに対し、これに要する経費を補助するための予算措置を行いました。

  

安全装置の設置が義務づけられ、設置に対する補助金が交付されることになり、予算措置を行ったということですが、本市の安全装置の設置状況はいかがでしょうか。

中野正和保健福祉部長

市で予算措置をした通園バスを保有している保育園2園につきましては、本年度の補助事業において既に設置が完了しております。

  

安全装置が取り付けられたということで、少し安心をしました。

しかし、当然ながら機械を取り付けること、それ自体はあくまで手段でしかなく、最終的な目的なわけではありません。

子どもの安全をしっかりと守っていくという職員さんの意識が重要になることは明らかです。

機械の設置にとどまらず、市からも啓発や指導の徹底というのをお願いしたいと思います。

石﨑遊太

さて、テーマをカッコ3番の学童に移します。

三浦市には4か所の放課後児童クラブ、いわゆる学童があり、現状、全て保護者会運営であります。

子どもたちの実情に即した柔軟な対応ができることなど、保護者会運営だからこそのメリットも確かにあると思いますが、実情として、働きながら運営に携わっている保護者、特に役員さんの苦労が多く聞かれます

令和5年度より、保護者の経済的負担を軽減するため、兄弟姉妹が同時に在籍する際の利用料減免や一人親家庭の利用料減免が実施されるなど、利用者という観点からの支援は拡充していっているのかなと感じています。

そこで、今度は保護者による学童運営における負担軽減という観点から、市として取り組んでいることがあれば教えてください。

中野正和保健福祉部長

運営に関する保護者負担の軽減につきましては、支援に係る業務以外の事務などの周辺業務に係る経費を補助する支援体制強化加算を令和5年度より実施しております。

これにより、これまで保護者が行っていた支援員の給与計算などの事務の一部の会計事務所への委託や事務員を雇用できるようになるなど、補助金の拡充による対策を講じております。

市として、運営面における保護者負担の大きさというのを課題として認識し、本年度より新たな補助事業により負担軽減に努めたというのはすばらしいことだと思います。

運営体制そのものの見直しを含めて、さらなる改善をお願いします。

改善といえば、放課後児童クラブたんぽぽさんは、利用生徒の多くが旭小学校に通学していることから、現在の学校外の敷地から旭小学校への移転の要望が出ていると聞きました。この点について、市はどのように受け止めているのかをお聞かせください。

中野正和保健福祉部長

現在、マンションの一室を借り上げ、運営している放課後児童クラブたんぽぽが旭小学校への移転を希望していることは把握しております。

保護者会からの要望に加え、三浦市放課後児童クラブ設置等基本方針のとおり、放課後児童クラブの設置は市として可能な限り小学校の余裕教室などを活用することとしていることからも、今後、移転に向けた支援を行っていく考えでございます。

旭小学校への移転に関して前向きなご回答が頂けて、うれしく思います。

現状、マンションの一室を借り上げていることによる運営費の逼迫はもちろんですけれども、たんぽぽに通う生徒さんたちが外で遊ぶ際に使う公園というのも十分なスペースとは到底言えず、ボールを使用した遊びもできないというふうに伺っています。

実際に移転する際には運営する保護者の負担も大きいため、どのタイミングで移転に踏み切るのかについては保護者のご意向次第になるかと思います。

いずれにせよ、市としては、いつ移転要望が出されても対応できるような準備というのを引き続きよろしくお願いします。

同時に、学校教育ビジョンに基づいて今後進められていく小学校の統廃合の中で、学童を新設する必要性についてもしっかりと考えていってほしいと思います。

共働き世代の増加などにより、ここ20~30年で学童のニーズというものは急増し、その在り方も大きく変化しています。

実際にこの夏季休暇中に全ての学童さんを見学させていただきましたが、どの学童も、保護者の方々、そして先生方のご尽力で本当にすばらしい運営をされているなというふうに感じました。

学童というものが保護者による運営、行政による運営、民間による運営、どの運営主体で行われるべきなのかはこれからも議論していくべきポイントかと思いますが、少なくとも直近については、現在の保護者運営の中での負担軽減というものを引き続き市としても考えていただけたらと思います。

石﨑遊太

子育て支援施策全般に関する、最後の質問に移ります。

カッコ4番、移住促進という観点から見た子育て支援体制についてです。

令和4年12月に市のホームページがリニューアルし、移住ポータルサイトがトップページから直接アクセスできるようになりました。

移住ニーズを捉える上で非常にいい施策だと思いますが、リニューアル後、移住ポータルサイトの閲覧数はどのような変化があったのか教えてください。

木村靖彦政策部長

令和5年1月から6月までの閲覧数でございますが、月平均で1,286件となっておりまして、令和4年の同じ時期は1,442件でございましたので、やや減少の状況でございます。

つまり、移住ポータルサイトがトップページに配置されるようになった。そして、サイト自体も見やすくなった。

でも、アクセス数は伸びていないと。

ちょっと整合性が取れていないかと思いますが、原因が何なのかはしっかりと分析してほしいところです。

この現状の課題認識と取組予定について教えてください。

木村靖彦政策部長

課題といたしましては、やはり移住を検討される方が必要とする情報を載せること、それから、それを見やすく載せることというのがホームページに求められておりますので、それらに対応していきたいというふうに考えております。

今年度、神奈川県から移住定住促進アドバイザーの派遣を受けまして、移住希望者が望んでいる情報を効果的に掲載できるようなアドバイスを頂きたいと考えておりまして、移住ポータルサイトの更新を現在検討中でございます。

内外問わず、いろんな意見や仮説を取り入れて検証してほしいと思います。

移住を検討する子育て世代の立場になれば、まず、自治体のホームページ、その中でも子育て施策に関するページを確認するというのは当たり前の流れだと思います。

それだけに、市のホームページのコンテンツ、視認性、情報の取りやすさのブラッシュアップというのは移住促進として非常に重要な部分になると考えています。

情報の細やかな更新やリアルな情報提供の実現も含め、もっと努力できる余地があると思いますので、よろしくお願いします。

移住ポータルサイトだけではなくて、ホームページのリニューアル全体の効果検証については、リニューアルから1年間がたったタイミングでまた改めて質問させていただこうと思います。

さて、子育て支援政策に関しては最後の質問になります。

三浦海岸駅のすぐそば、237戸の分譲マンションが建設され、2025年10月頃に完成予定となっています。

移住者が増えることを願うばかりですが、販売事業者とはどのようなコミュニケーションを取っているのでしょうか、教えてください。

木村靖彦政策部長

建設工事着手後に、販売事業者から三浦市の移住施策等を説明してほしい、そういった旨の申入れがございまして、担当のほうで市の移住施策、それから子育て賃貸住宅を設置することですとか、市のホームページのバナー広告等について情報提供を行いました。

なお、市のホームページのバナー広告につきましては令和5年8月から掲出されている状況でございます。

実際にマンションのホームページを確認しますと、子育て世代を明確なターゲットの一つに設定している印象を受けます。

それ自体は本当にありがたいことですし、歓迎したいと思うんですけれども、これまで確認してきたとおり、現実問題として子どもの数が急増した場合の受入れキャパシティーに、少なくとも保育という観点からは十分な余裕があるとは言えないと思います。

販売事業者とのコミュニケーションは今後も積極的に取っていただき、進捗を細かく確認した上で、移住を決意してくださった方との情報のミスマッチというのが起こらないためにも、保育体制を含めた子育て支援政策全体の拡充を行っていってほしいと思います。

子育て支援政策全般の質問については以上になります。

ポストGIGAスクール構想について

石﨑遊太

続きまして、2番のポストGIGAスクール構想にテーマを移します。

教育行政の中でも、あえてこの分野に絞って質問をさせていただきます。

2019年12月に閣議決定されて以来、新型コロナウイルスの蔓延という予想外の外部要因もあり、急ピッチで進められたGIGAスクール構想ですが、その軸となる校内通信ネットワーク整備と児童・生徒1人1台端末の整備について、本市におかれましても現場の多大なるご苦労の中で実現し、2年と半年が過ぎようとしています。

学校でのICT活用の現状について、率直な所感を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

及川圭介教育長

ICTの教育環境が整うことによりまして、日常の授業の様子、風景が変わりつつあるというふうに実感しております。

これからも様々な活用がされていくというふうに期待しておりますけれども、ICTの利活用はあくまでも手段であって、目的ではないということを忘れてはいけないとも考えております。

また、ICTの利活用が子どもたちの学びの質の向上につながっていかなければ、利活用することの真の意味はなさないというふうにも考えております。

何のために、どのように使うか、そのことによってICTの価値は大きく変わっていくものと考えております。

常に子どもたちの学びの多様化と深化を中心に据えて、主体的、対話的な深い学び、個別最適な学び、そして、協働的な学びの向上を追求していきたいというふうに考えております。

私も学校へ行こう週間など活用しまして実際にタブレット端末を使った授業を見学させてもらいましたが、生徒たちが何なくタイピングを行いながら、各種のツールを使いこなして意見交換を進めている光景に正直驚きました。

ただ、まさにICTの利活用が目的ではなく手段であること、大いに賛同いたします。

実際に学校現場での運用においては、ICT関連業務を実現するための専門スタッフであるICT支援員の役割が大きくなってくるかと思います。

現状、本市におけるICT支援員は何名体制であるのか教えてください。

増井直樹教育部長

2名体制を目指し調整しておりますが、現在のところの任命は1名にとどまっております。できるだけ早期の確保が望まれると考えております。

なかなか厳しい状況だと思います。

文部科学省が定めたICT支援員数の目標水準としましては、4校に1人であったかと思います。

もちろん学校の規模なども様々ですので単純には計算できない部分もあるかと思いますが、現状でいけば、仮に2人体制であっても目標水準には届いていないということになるかと思います。

とはいえ、かねてより急ピッチなGIGAスクール構想によってICT支援員の人材確保が課題となっていることは、全国共通だと思います。

簡単なことではありませんが、まずはICT支援員の募集方法の見直しや人材確保のための積極的な施策というのが求められると思います。

このあたり、どのように考えているのかお聞かせください。

増井直樹教育部長

人材確保の方法といたしましては、神奈川県のGIGAスクール運営支援センターからの派遣を受ける方法もございます。

派遣を受ける費用の3分の1が補助されるという事業でございますけれども、この制度を利用し派遣を受けるためには、市の負担が、現在市が雇用するICT支援に要する予算と比べて高額になってしまうということがございまして、現在のところ活用は考えていない状況です。

ICT支援員といたしましては技術支援と学習支援が必要と考えられておりますので、それぞれの適性を考慮し、人材確保ができるルートを探っていきたいと考えます。

予算上、県派遣の支援員が活用できない現状は分かりました。

募集をもっとオープンにしてもいいのかなとは思いますし、待遇改善も必要なのかなと思います。

いずれにせよ、まずは早急な2名体制の構築を目指して引き続き対応をお願いします。

ちなみに、意外と見過ごされがちなのが特別支援教育に関してのICT活用の有用性です。

ディスレクシアやディスグラフィアといった学習障害、視覚障害や聴覚障害、知的障害、発達障害を持った生徒に対しても、ICT活用は寄与する部分が大きいと思います。

現状、本市の特別支援教育に関してのICT活用の感触について伺います。

増井直樹教育部長

それぞれの児童・生徒の状況実態に応じまして、動画ですとかサイト、アプリケーションなどを活用することで授業に集中しやすくなり、苦手な作業を補うこともできるようになっております。

また、同じく教室での学習が難しい児童や生徒の作品や学習の成果物、こちらをネットワークを通して共有することもできることから、お互いの作品を見合うことや、お互いに評価をするという学習もできるようになっております。

端末が一人一人に配付されるということで、障がいのある児童や生徒だけが特別にICT機器を使って学ぶわけではなくなりますため、配慮を得ることに対するスティグマ、いわゆる社会的烙印が少なくなることはGIGAスクール構想の大切な意義の一つだと思います。

障がいのある児童のための効果的な端末の活用についても、引き続き模索していってほしいと思います。

少し話題が替わりますけれども、初等中等教育段階における生成AIの利用について、今年の7月に文部科学省が暫定的なガイドラインというものを出しました。

生成AIの活用に関する市教育委員会での見解をお聞かせください。

増井直樹教育部長

国や県の教育における活用の在り方等を参考にいたしまして、教育委員会内で検討を始めているといった段階でございます。

よりよい活用方法につきまして、しっかりと見定めながら活用場面を探っていく、こういうことが必要だろうと考えております。

これから詰めていく部分なのだと思います。

それぞれのアプリには年齢制限がかかっているから大丈夫というようなことではなくて、ネガティブな部分というのもしっかりと認識してもらった上で、積極的な活用場面の模索を行っていってほしいと思います。

ちなみに、端末を使用する上で有害サイト等へのアクセスなどに関するセキュリティー対策について、どのような策を講じているのかお聞かせください。

増井直樹教育部長

教育機関用のGoogle for Educationというサービスを利用いたしまして、危険性のあるサイトや、児童・生徒にとって有害なサイトなどには学習に使用する端末からはつながらないようになっております。

メールやチャット機能につきましても、児童・生徒指導上の問題もありますので、使用できない設定にしております。

このため、セキュリティー上のそういった場面でのリスクが発生することは低いと考えております。

現状について、よく分かりました。

自由にICT機器を活用してほしいという側面と、セキュリティー対策のような一定の規制の必要性については、運用面でのバランス感かというのが難しいところかと思いますが、目まぐるしく変わるICT関連の状況について、しっかりとアンテナを張っておいていただきたいと思います。

もう一つ気になる点なのですが、小中学校で採用している現在の端末と高校で使用する端末が異なることで、進学した生徒が戸惑うようなケースはないのでしょうか、教えてください。

増井直樹教育部長

現状のところ、高校では端末を個人で用意しております。

このため、高校で使用する端末の種類は一律ではございませんで、本市の使用する端末を高校で使用する端末に合わせるということは難しいことになります。

しかし、小中学校での学習も高校での学習もGoogleアカウントというものを使用し進めているため、基本的な使用には問題はないのではないかと考えております。

端末というよりは、Googleアカウントで統一性を図っているということなのだと思います。

石﨑遊太

さて、カッコ2番、端末の活用強化についてですけれども、

GIGAスクール構想が目指す学習の個別最適化という観点に立てば、端末を授業内だけではなくて、自宅に持ち帰って自由に使用できる選択肢もあってしかるべきだと考えています。

様々なリスクも想定されるかと思いますが、端末を持ち帰る施策についての動向をお聞かせください。

増井直樹教育部長

令和4年度に端末の持ち帰りによる接続テストを行いました。

今年度には、9月後半から、各校の実態に合わせながら、少しずつ週末の持ち帰り学習を始めてもらうという予定でございます。

持ち帰り時の学習につきましては、宿題のような全員が取り組むというものではなく、各自の自主的な学習から実施を考えております。

その状況を見定めながら、全員が取り組む学習にも使用できるかについて検討していきたいと考えます。

既に端末の持ち帰りというのが実現しつつあるとのこと、その際の学習内容が自主的なものであることを承知しました。

持ち帰りによって端末の故障リスクというのは当然高まるでしょうが、現状、学校管理下での端末の故障台数はどれぐらいになりますでしょうか。

実際にコロナ禍でのオンライン授業等で持ち帰りを行ったケースもあったかと思いますが、その際に起きた故障などはどの程度あったのか、また、仮に故障した場合、どのような形で対応していくつもりなのか、保険などの選択肢もあるかと思いますが、教えてください。

増井直樹教育部長

故障の台数でございますけれども、令和3年度と4年度の合計で53台でございました。

そのうち、オンライン授業等での持ち帰り時の故障は、そのうちの数件でございます。

故障した場合、現在では予備の機械を使用するという対応をしております。

児童・生徒数は残念ながら減少しておりますので、年々予備機の数は増えていくのではないかと予測をしているところです。

また、現状は約2,000台を保険の対象とした場合に、その保険の費用は200台の新品を購入できるくらいのものになってしまうということでございますので、先ほどの故障台数であれば、保険による修理というものよりも、現状では予備機対応ということが適切かと考えております。

費用対効果を踏まえた上で予備費での対応を想定しているとのこと、よく分かりました。

端末の持ち帰りに関して大きなハードルの一つに家庭のWi-Fi環境の整備、つまり平等性の担保というのが挙げられるかと思うんですけれども、現状、生徒たちの各家庭のWi-Fi環境はどの程度整っているのかお伺いします。

増井直樹教育部長

先ほどご答弁いたしました令和4年度に行いました接続テストによりますと、約97%の家庭で接続することができております。

僅かながらWi-Fi環境が整っていない家庭があるとのことです。

状況の詳細は分かりませんが、例えばWi-Fi環境が未整備の家庭に対しては、使用できる端末を固定した上で家庭学習用のWi-Fiルーターを貸し出すですとか、子どもたちが使用できる公共スペースでのフリーWi-Fiスポットの拡充など、端末の使用に格差が生じない施策の検討を求めたいと思います。
 

石﨑遊太

次にカッコ3番、校務支援システムについてです。

学校でのICT活用は何も生徒や教師間だけで行われるべきものではなく、教職員同士の校務においても積極的に取り入れられるべきものだと思います。

特に近年の教職員の働き方改革は最優先の急務であり、ここにICTが寄与できる可能性は大きいと考えています。

この点についてどうお考えか、お聞かせください。

増井直樹教育部長

現在、校務支援システム導入に向けまして、教育委員会内で準備、検討を進めているところです。

校務支援システムを導入することで事務作業が軽減され、働き方改革をより進めていけることになると考えます。

導入ができた場合には、適切な研修を行うことなどによりまして、導入時のトラブルや、また心理的なストレスによる負担が軽減できるようにしていきたいと考えます。

システム改善という観点からの働き方改革に期待をしております。また、教員対生徒、教員対教員だけではなくて、教員対保護者のコミュニケーションにつきましてもICTをしっかり活用していってほしいと思います。

石﨑遊太

このテーマの最後に、端末の更新について確認させていただきます。

GIGAスクール構想が表に出てきてからというもの、当初から更新費用はどうするのかという懸念は小さくなかったかと思います。

政府が国策として更新費用を負担する方向性が発表され安堵しましたが、本市において配付されたタブレット端末の更新時期というのはいつになるのか教えてください

増井直樹教育部長

令和3年度から使用し始めました端末は、令和8年度には更新時期を迎えます。

あと2年半ほどということになるのかと思います。

更新についての考え方はどのようなものでしょうか。

及川圭介教育長

ICTを活用した学習を継続し、円滑に進めていくためには、速やかに更新を行いまして、各教員や児童・生徒が混乱することのないように努めていくことが大切であると考えております。

端末の更新の費用負担につきましては、先日行われました県内の教育長会議の後に、ウェブでの会議でしたけれども、超党派の国会議員連盟と意見交換を行ったところであります。

その中では、国庫補助の必要性につきまして共有したところでございます。

その後、文部科学省からは費用負担を検討するという考えが示されましたけれども、今後の国の動向を注視いたしまして、三浦市としてどのようにあるべきかを検討していきたいと考えております。

更新の流れで生まれる旧端末の処分については、どのような対応を想定しておりますでしょうか。

増井直樹教育部長

更新時には、古い端末につきましては買取りというものを行っている業者もありますので、そういったことを基準に対応を検討していきたいと考えます。

もし買取りが実現すれば、それによって生まれたお金の使い道というのも重要になってくるかなと思います。

まだ先の話ではありますが、端末配備が早かった自治体では、来年度以降、次々に更新を迎えるタイミングがやってくると思います。

当然のことながら、そうした他の自治体の手法についても今から情報を積極的に取っていってほしいと思います。

とにかくGIGAスクール構想は、財政状況の厳しい本市において、子どもたちのICT環境が一気に整備できたという意味で非常に画期的なものであったと感じています。

その成果はこれからの運用次第だと思いますので、引き続き多角的な視点からのICT推進をよろしくお願いします。

これで2番、ポストGIGAスクール構想についての質問を終わります。

市民協働施策について

石﨑遊太

続きまして、3番、市民協働施策についての質問に移ります。


まずは、三浦市民交流センターニナイテの稼働状況についてです

ニナイテは、それまで待望されていた市民活動の拠点として、そして、市民の皆さんのコミュニケーションを広げる場として、令和元年6月にオープンをしました。

開業から4年以上が経過したこのタイミングで、ニナイテ運営の総括という観点をイメージしながら、各種の質問をさせていただきます。

近年、新型コロナウイルスによって休館や利用人数の制限などを行わなければならず、現場では大変な状況の中での運営を余儀なくされていたと思います。

まずは、ニナイテの開設から現在に至るまでの利用人数の推移について伺いたいと思います。

瀬戸山剛史市民部長

市民交流センターにおける研修室などの有償施設及び打合せ広場などの無償施設を全て合わせた年間の利用人数についてお答えいたします。

令和元年度は1万7,282人、令和2年度は1万1,768人、令和3年度は1万3,317人、令和4年度は2万3,270人、令和5年度は7月末現在でございますが、1万2,404人でございます。

令和2年度及び3年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための休館や人数制限等により、利用人数が大幅に減少いたしました。

令和4年度は、引き続き人数制限を行っておりましたが、休館にはならなかったこともあり、利用人数が順調に回復しております。

利用人数の増加につきましては、研修室や打合せ広場など、これまで利用が少なかった夜間の時間帯を含めて全体的に増えておりまして、市民交流センターが市民の皆様に浸透してきた結果と考えております。

令和4年度も研修室の利用者数をたしか上限の半数くらいまで制限していたかと思いますが、その中での利用者人数が2万3,000人以上もいたと。

オープン年度と比較しても、利用者数が上昇していることがよく分かります。

昨年10月に建て替えのため閉館となった南下浦市民センターの利用者がニナイテに移ったことは容易に想像できますけれども、この利用者数の増加はその理由だけではなくて、やはりニナイテの存在が市民の皆さんに周知されてきたということが大きいのではないでしょうか。

ちなみに、ニナイテにおいて利用団体は団体登録を行い活動しているかと思いますが、ニナイテの開設から現在に至るまでの登録団体数の推移についてはいかがでしょうか、教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

市民交流センターの団体登録数は、令和元年度末では8団体、令和2年度末では73団体、令和3年度末では107団体、令和4年度末では180団体、令和5年8月31日現在では205団体が登録されております。

新型コロナウイルスの感染が少し落ち着いた令和4年度から、登録数が増えてきております。

また、昨年10月の南下浦市民センターの閉館に伴い、市民交流センターへ移ってきた団体もあると伺っております。

登録団体が着実に増加しているとのことで、非常に喜ばしいことだと思います。

ちなみに参考までに、登録している団体のカテゴリーといいますか、どのような活動を目的とした団体構成が多いのかを教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

主にボランタリー団体やサークルなどを中心に、文化、スポーツ、地域活動、子育て支援、福祉、環境等の市民活動団体の登録がございます。

利用人数、登録団体数という定量的な部分から、市民交流センターとしての稼働状況を伺わせていただきました。

あらためて、ニナイテの市民活動拠点という観点での成果と今後について、どのように捉えているか伺わせてください。

吉田英男市長

市民交流センターでは、市民が自発的に取り組む公益的な活動である市民活動を行っている方などを支援しております。

こうした支援によりまして市民活動を行う団体等が増えていくことで、地域や年代を超えた人々が触れ合い、交流し、市民に笑顔があふれるということを目指しています。

市民交流センターでは、これから市民活動を始めたいと考えている方の相談も行っておりまして、支援の結果、活動を開始し、団体を設立して自立した市民活動に発展した事例ですとか、市民、市民団体、企業などが協働した事例もございまして、それらも成果と捉えております。

今後も自立した団体が増えていくように、市民交流センターが市民活動拠点としてコーディネート等を行って支援していきたいというふうに考えております。

引き続き、絶え間ない、継続的な市民活動の支援をお願いします。

石﨑遊太

カッコ2の項目に移ります。

平成28年7月に、県立の障害者支援施設、津久井やまゆり園において発生した事件を受けまして、県は、ともに生きる社会かながわ憲章を策定しました。

この理念に基づいて立ち上げられた事業の一つに、地域の支え合い仕組みづくり事業があります。

本事業は、地域課題を解決しようとする方々の自主的な動きを広域自治体として後押しすることによって、笑いあふれる、持続可能な地域共生社会の実現を図るものとなっています。

ニナイテではこの事業を活用して、三浦市、YMCAコミュニティサポート、三浦市社会福祉協議会、三浦市区長会を構成組織とした三浦市地域資源情報プラットフォーム推進協議会をつくり、活動を行っていたかと思いますが、その内容について伺わせてください。

瀬戸山剛史市民部長

令和2年度から4年度まで、神奈川県の地域の支え合い仕組みづくり事業を活用して、高齢者活躍の仕組みづくりを支援として「Don’t tell anyone! 地域資源情報を集めて広めて繋がろう大作戦!」を実施いたしました。

この事業は、身近にある地域の魅力を地域資源と捉え、地域の高齢者が知っている地域資源情報を受発信することで、高齢者が地域で貢献できることを実感できる、地域資源情報を受発信するプラットフォームを形成することを目的としております。

地域の自主的な動きを支援するため、そのスタートアップ機関に対して、神奈川県から令和2年度が100万円、令和3年度及び4年度がそれぞれ200万円、3年間の合計で500万円の負担金を受けております。

  

県の助成をうまく活用しながら、三浦の魅力、三浦の今ある地域資源を活用したプロジェクトが企画、実施できたことをまずは評価したいと思います。

県から3年間で500万円の負担金を受けているとのことですが、具体的にどのような用途に使われたのか教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

地域資源情報の受発信のための手引である『地域の魅力 集め方ハンドブック』、集めた地域の魅力の発信や活用について紹介した『地域の魅力 集め方広め方事例集』などの印刷製本費ですとか、学識経験者などアドバイザーや、ニナイテカレッジと称した市民講座の講師への謝礼金などに使われております。

主に印刷製本、講師への謝礼として使用されたこと、承知しました。

出来上がった冊子については、私も読ませていただきましたが、非常に読み応えのある完成度の高いものであると感じました。

それぞれの冊子の発行部数と配布先についてもお聞きします。

瀬戸山剛史市民部長

『地域の魅力 集め方ハンドブック』は5,000部、『地域の魅力 集め方広め方事例集』は3,000部を製作いたしました。

それぞれ、三浦市地域資源情報プラットフォーム推進協議会の構成員である三浦市、YMCAコミュニティサポート、三浦市社会福祉協議会に配布いたしました。

そのほか、関係者として本事業のアドバイザーのほか、三浦市区長会、老人クラブ連合会、協力大学や企業などの関係機関、ニナイテカレッジ講師、受講者、三浦市民交流センター利用者などへ配布しております。

冊子についてはニナイテのホームページにもPDF形式でアップされているので、より多くの方に見ていただけることを願っております。

さて、ニナイテでは、市民活動を行っていく上で市民と関係団体が協働していくための新たな学びの場としてニナイテカレッジが開催されていたかと思いますが、これまでに開催したニナイテカレッジの講座数と受講した延べ人数についてお聞きします。

瀬戸山剛史市民部長

市民交流センターでは、地域の支え合い仕組みづくり事業を活用いたしまして、令和3年度から市民活動を行っていくためのスキルや知識の習得のための講座をニナイテカレッジと称して開催しております。

各年度の講座開催数及び受講者延べ人数は、令和3年度が17講座、全32回で延べ293人、令和4年度が13講座、全30回で延べ256人が受講されております。

これまでに開催したニナイテカレッジの受講者の年齢層について教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

令和3年度及び4年度におけるニナイテカレッジは、地域の支え合い仕組みづくり事業の負担金を活用していたため、その事業の目的から原則65歳以上の方を対象としておりました。

そのため、受講者の大半は65歳以上の高齢者でありましたが、各講座のサポーターとして若年層や現役世代の方も参加されております。

県の地域の支え合い仕組みづくり事業においては、対象分野の一つである高齢者活躍の仕組みづくり支援としての枠組みで助成を受けたために、その助成を受けて企画したニナイテカレッジの参加対象者は原則65歳以上になるということなんだと思います。

65歳未満の受講希望者は各講座のサポーター、いわゆるオブザーバーというか、聴講生のような形で参加を認めていたのかと思いますが、そういった立場であっても、若年層や現役世代にも参加者がいたとのことで、とてもいい流れだと感じています。

実際にニナイテカレッジを開催されてきた中で、その成果についての感触を伺いたいと思います。

瀬戸山剛史市民部長

令和3年度及び4年度のニナイテカレッジでは、市民活動の基本となる「情報の発見・発掘、編集・発信」のスキルアップを目指し、原則、高齢者を対象として、パソコン、スマートフォン、SNS、文章作成など、情報伝達スキルを学ぶ講座などを開催いたしました。

これまでパソコン等に触れることがなかった人が1人で使えるようになったり、文章作成講座を受講された方が市民記者として活動するようになるなど、ニナイテカレッジの学びが市民活動に生かされていると感じております。

ニナイテカレッジで得たスキルがそれぞれの市民活動に生かされるよう、引き続きフォローをお願いします。

今後は、高齢者だけではなくて、若年層を市民活動に取り込んでいくことも重要になってくるはずです。

例えば子どもや若年層向けのニナイテカレッジを企画することや、高齢者世代と若年層との交流による促進などの施策を考えるべきだと思いますが、このあたり、現状と今後の取組についてどうお考えか教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

地域の支え合い仕組みづくり事業による地域資源情報の掘り起こしにおいては、大学との連携により、学生など若い世代との交流によって集められた地域資源もございます。

例えば三浦の食文化について大学が研究対象に取り上げて、そのレシピを再現や記録化したり、大学や企業と連携し、レンタル自転車を活用して、三浦の魅力を巡るツアー、チャリピクとして商品開発に取り組んでまいりました。

いずれも大学生の活動をきっかけに、高齢者が当たり前と感じていたことを地域の魅力として再発見し、活躍するきっかけをつくることができました。

また、市民交流センターでは毎年、複数の大学からインターンシップの受入れを行っておりまして、三浦市における市民協働の取組を学んでいただき、学生の視点による自由な発想での提案などを受けております。

今後も、こうした若い方からのご意見なども参考にしながら、若年層も含め様々な年代の方が交流し、生き生きと活動できるよう支援したいと考えており、若年層向けのニナイテカレッジの企画も検討してまいりたいと考えております。

大学との連携ということで、とてもいいと思います。

大学がない三浦だからこそ、こうしたネットワークは大事にしていってほしいですし、今後も強化していってほしい分野です。

教授にとってのゼミ運営や大学生たちにとっても、地域資源の豊富な三浦での活動にはメリットのある部分が必ずあると思っています。

さて、地域の支え合い仕組みづくり事業に関して個別の質問を行ってきましたが、本事業に取り組んだ3年間の成果をあらためて教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

地域の支え合い仕組みづくり事業として、学識経験者などのアドバイザーの助言を頂きながら、高齢者が培ってきた経験や知見が地域の魅力であると仮説を立て、そうした地域資源情報をまずは集めることから始めました。

その結果、自然と歴史を巡る未病ウォーク、三浦の中世歴史研究サークル、三浦産の材料を使った手すき和紙制作など、高齢者を中心とした市民活動自体が地域の魅力であり、地域資源であることが分かりました。

既に具体的なプロジェクトとして実施までこぎ着けている例も複数あるということで、今後も期待して見守らせていただきます。

なお、昨年度から、県からの助成期間は終了しているかと思います。

今年度からは自走化のフェーズということで、どのようなスタンスで取り組んでいく予定なのか教えてください。

瀬戸山剛史市民部長

これまでに集めました地域資源情報には、自然の魅力、まちの魅力、昔ながらの手仕事や技術による丁寧な暮らしなど、様々なコンテンツがございます。

集まった情報を基にコンテンツを組み立てることにより、都会に住む人や若い世代にとっても魅力のあるものとなり、経済的、学術的な価値にも発展し得るものと考えております。

今後の課題といたしましては、集めた地域の魅力をどのように広め、つなげていくかが重要であると考えております。

今後の自走化に向けましては、大学や民間事業者など活用を担うパートナーと連携しながら、交流のマッチング、スキルアップのための講座の開催や伴走による支援などを行い、事業を進めていきたいと考えております。

もちろんお金がかけられるにこしたことはありませんが、お金をかけなくとも、行政からの市民活動支援においてできることはたくさんあると思っています。

取組の方向性や課題認識は間違っていないと思いますので、引き続き、絶え間ない後方支援をお願いします。

石﨑遊太

さて、次の項目であります。三浦市区長会について話をします。

長きにわたり、住民の日々の暮らしを支えながら、地域コミュニティーの重要な基盤となってきた区長会、いわゆる自治会ですけれども、全国的には高齢化に伴い役員の成り手不足などで解散を余儀なくされた自治会もあると聞いています。

三浦市は他の地域と比べても高い組織率を維持できているようですが、役員を中心とした関係者の方々の日々のご苦労は少なくないと思います。

あらためて、市としての区長会へのフォロー体制についてお聞かせください。

瀬戸山剛史市民部長

三浦の区長会は、市内の自治会組織である区が相互に連絡を保ち、地域の繁栄と市民福祉の増進を図ることを目的に設置されております。

市では、三浦市区長会の事務局を担っており、三浦市区長会の運営や様々な課題について適時相談を受け、対応しております。

また、市内3地区におきましてもそれぞれ区長会を設置しており、三崎町区長会は市民協働課、南下浦町区長会は南下浦出張所、初声区長会は初声出張所がそれぞれ事務局を担い対応しております。

市と区長会の関係性についてよく分かりました。

区長会といえば、昨年度、「すべて魅せます!三浦のふるさと54区知って写真展」が三浦市区長会主催で開催されたことは記憶に新しいかと思います。

この企画が立案、実施された経緯と総括について伺わせてください。

瀬戸山剛史市民部長

「すべて魅せます!三浦のふるさと54区知って写真展」は、公益財団法人地域社会振興財団からの、令和4年度人生100年時代づくり・地域創生ソフト事業交付金を活用して、三浦市区長会により実施されたものでございます。

三浦市では、以前から自治会加入率が高く、90%を超えておりますが、昨今、少子高齢化の影響や若年層の市外への転出などもあり、また、自治会に加入しない若年層が増えていることから、自治会における世代交代が課題となっております。

また、自治会におきましては、若い世代に対し、自治会の魅力をアピールし、自治会について理解してもらう必要性を感じており、地域の魅力の発信についても課題と考えておりました。

これらの課題を解決するイベントとして、本事業は実施されております。

「すべて魅せます!三浦のふるさと54区知って写真展」は、令和5年2月11日から19日までの9日間、先行して実施した写真コンテストの応募作品から選ばれた54区の写真パネル約160枚を展示し、延べ800人の来場者がございました。

写真展の来場者からは「市内に54の自治会があることを知らなかった」「地元の魅力を再発見した」「各区の成り立ちや自治会への思いが伝わるよい文章だ」などの感想が得られ、大変好評であったと伺っております。

また、この写真展開催のほか、写真コンテストで集まった多数の魅力ある写真を使ったPR動画の作成、プロのライターによる各区長のインタビューのテキスト化、そのテキストと54区の写真をまとめた写真集作成が行われております。

私自身、当然ながら実際の展示や冊子も拝見させていただきました。

寄せられた写真やミュージックビデオといったコンテンツがすばらしいことはもちろんなんですけれども、全ての区が共同で1つの企画、1つの冊子を作り上げたこと自体に大きな価値があったと思っています。

同じ市内であっても意外に知らない他の地域の魅力に、私自身も大変強い感銘を受けました。

個人的に、今回集まった写真についてだけではなくて、それぞれの区の魅力や区長会の動きについてSNSやホームページで発信していくべきだと思いますが、そのあたりを市としてはどう考えているのかお聞かせください。

瀬戸山剛史市民部長

三浦市区長会による写真コンテストには314点の応募がございました。応募作品の著作権は撮影者に帰属しておりますが、三浦市区長会は、広告、ポスター、動画、フォトブック、広報紙、ホームページ、イベント等のPRに使用する用途に限り無償で使用する権利を有しております。既に写真集として作成され、市内の図書館や小・中学校等に配架されたほか、広報紙「三浦市民」においても令和5年4月号から表紙で使用させていただいております。また、応募された作品を手軽に見ていただけるよう、オリジナルソングに乗せてスライドショーとして編集した動画を作成し、現在、動画配信サイトにおいて公開しております。
 三浦市区長会としても各区の魅力を発信したいと考えており、既に開設している三浦市区長会のホームページについて、さらに発信力を高めるため、今年度内のホームページの改修を予定していると伺っております。
 三浦市といたしましても、地域の魅力が発信されるよう、三浦市区長会と連携して取り組みたいと考えております。

先ほどの答弁の中にも、自治会に加入しない若年層が増えているとのことから、自治会内における世代交代が課題であるという認識が触れられていました。

特にSNSやホームページの運用については、どうしても若い力が必要になる部分もあるでしょう。

行政の支援策として、そうした若い人材の発掘や、若年層が地域参加のモチベーションを抱けるような企画をどんどん打ってほしいなと思います。

ただ、理想を言えば、SNSやホームページだから若い人にお任せという役割分担ではなくて、これまで確認しましたように、せっかく市民交流センターを拠点とした各種プロジェクトで意欲やスキルある高齢者が集まってきたわけですから、ICT分野といった領域においても、高齢者と若年層が一緒に教え合って高め合えるという関係が望ましいのだと思います。

引き続き、行政としてのサポート強化をお願いします。

石﨑遊太

続いて、カッコ4番、二層協議体についてです。

昨今、第二層の協議体の枠組みを活用し、地域のまちづくりや福祉の団体などが参画し、地域における見守りや支え合い、居場所づくりなど、地域の高齢者を支えるために地域でできることについて検討を進める自治体が増えています。

本市においても、過去の答弁におきましては南下浦地区で二層協議体を設置したと聞き及んでおりますけれども、現在の状況や進捗、課題について伺いたいと思います。

中野正和保健福祉部長

進捗についてでございますが、令和3年度に南下浦地区協議体をモデル地区として開始いたしまして、活動状況や取組について情報交換会を6回開催いたしました。

令和4年度は、南下浦地区の方にさらに関心を持ってもらうために、7月に説明会を、11月に勉強会を開催いたしまして、令和5年1月から毎月1回のペースで協議体を開催し、本格的な取組が始まっております。

高齢者のコミュニティーづくりやマンションに居住する方の高齢化など、協議体の活動目的の一つである地域情報を共有することは着実に行われております。

課題としてでございますが、協議体には若い方など新しい方が加わるなど、より活発な活動が今後継続して行われていくことができるかが当面の課題として捉えております。

三崎地区の二層協議体についても、以前の答弁において令和5年度に設置するとのことでしたが、こちらも進捗を教えてください。

中野正和保健福祉部長

今年度の設置に向けて、地域包括支援センターの生活支援コーディネーターが、三崎地区の民生委員や区長など関心をお持ちの方に対して個別に説明をさせていただき、取り組んでいるところでございます。

また、円滑な立ち上げに資するために、本年10月には関心をお持ちの方を対象とした勉強会を開催する予定でございます。

第二層というそもそもの枠組みや協議体における議論の進め方など、なかなか理解してもらうのが難しい部分というのが少なくないと思いますが、新しいコミュニティーで地域課題を解決しようという試み自体には大きな価値があると感じています。

当面の課題としては、お答えいただいたように若年層の取り込みや継続性などになるかと思いますが、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、よりよい運営方法を確立していっていただきたいと思います。

石﨑遊太

さて、最後ですね。私の質問の最後の項目になります。

引橋地区において進んでいる、三浦市市民交流拠点整備事業についてです。

新たな市民交流拠点の形成を目指して、市庁舎や図書館を含む公共施設と民間設置施設の整備を行う事業であります。

これまでの質問でも取り上げてきた市民交流センターニナイテは隣接した既存施設となるわけで、当然ながら新しくできる施設との連携が求められると思います。

あらためて、この部分について、行政としての考えを伺いたく思います。

徳江卓市長室長

市民交流拠点整備事業のコンセプトは、異なる公共機能と官民の施設・機能を一体的に捉え、効率的に実現、促進する仕組みや場づくりとしております。

これは、新たに整備する施設が三高及び周辺地域における既存の施設と一体的となり、市民交流の拠点となることを目指すものでございまして、募集要項等にもその旨示しておるところです。

既存の施設の中にはニナイテが含まれておりまして、それぞれの施設が効果的に連携していくことを目指して整備を進めていく考えでございます。

これから具体的に連携についても内容を詰めていくということなのだと思います。

実際、ニナイテを利用する方からの声としても、例えば研修室が大規模調理を想定しておらず、料理教室などの実施が行いにくいですとか、トイレのキャパシティーが少なく、休憩時間に渋滞してしまうなど、改善してほしい点を聞いたりもします。

このあたり、まずはニナイテが設備上抱えている課題をしっかりと確認した上で、施設としての役割のすみ分けというのも考えながら、両施設がうまく連携できるような環境の整備を熟考していただきたいと思います。

さて、市民交流拠点整備事業では図書館の整備も対象になっています。

これまで述べてきた市民活動にとっても、その活動を十分に生かした市民協働の流れにとっても、そして何よりも、誰でも使用できる知の拠点としての図書館の役割、これは本当に重要なものになってくるはずです。

最後の質問になりますけれども、本事業における図書館の運用方針について、現時点でどのように考えているのかをお伺いします。

瀬戸山剛史市民部長

優先交渉権者となった事業者からは、図書館を指定管理者にて運営することが提案されております。

市民協働の観点からも市民交流拠点における図書館の役割は大切であると認識しておりまして、今後の運営方法については、費用対効果等も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。

こちらも、これから内容を詰めていくということなのだと思います。

現状、指定管理者による運営を提案されているとのことですが、ここは行政としての矜持をしっかり持って、しっかりした考えに基づいて判断を行ってほしいと思います。

決して指定管理者制度自体に反対しているわけではありません。

民間のノウハウを活用して業務効率性を高めることは重要です。

しかし、私も民間出身の人間だからこそ実感としてよく分かりますけれども、企業というのは確実に利益を求めてきます。

図書館運営における指定管理者制度の導入というものが、本当にその企業の利益と市民の満足度というものを両立させ得るものなのか、ここは慎重な検討が必要であると考えています。

繰り返しますが、指定管理制度自体に反対しているわけではありません。

図書館運営についても、これまで主流だった行政直轄の運営に何も問題がなかったのかというと、決してそうではないと思います。

ただ、事実として、指定管理者制度における図書館運営において、不当な利益供与や事業者選定の不透明性が問題となっている自治体も出てきています。

行政の直接的な運営、業務委託による運営、そして指定管理における運営、それぞれのメリットとデメリットをしっかりと精査した上で熟考を求めたいと思います。

そして、どのような運営主体であっても、その運営方針の策定においては、市民の声というのをしっかりと聞いて、可能な限り反映させるようなプロセスを必ず踏んでいただきたいと思います。

石﨑遊太

以上をもちまして、私の一般質問を終わります。長丁場となってしまいましたが、真摯にお答えいただきましてありがとうございました。

発言を書き起こした文章は、以上になります。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

石﨑遊太

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