1週間を振り返って~その132~

こんばんは。
石﨑遊太です。

ここ最近、どうにも言葉にしきれない違和感が胸のどこかに残っていました。

6月の三浦市長選挙では、これまでの市政運営が一方的に「悪」と断じられ、虚偽や誤った情報が広がる中で結果が形づくられてしまった側面があると考えています。

その構図を批判する中で、私自身も一部の“オルタナティブ・ファクト”、すなわち虚像としての代替的事実を信じ込んだ市民の方々から、激しい誹謗中傷を受けました。

あれから、はや5か月が経ちました。
短いようで長いこの期間に、「あの選挙はいったい何だったのか」と改めて考えざるを得ない出来事が次々と起こっています。

そのなかで私が抱くようになった仮説があります。
いまの社会の分断は、右か左かというイデオロギーではなく、“どの現実を見ているか”の違いから生まれているのではないか。

情報が溢れかえる現代では、真実にたどり着くには冷静さと時間が必要です。
しかし、社会情勢や経済状況が厳しい今、その余裕を失っている人が多い現実があります。

苦しい日常を少しでも和らげるため、人は自分を守ってくれる別のストーリー——すなわち“オルタナティブ・ファクト”に寄りかかってしまうことがあるのでしょう。

「三浦市政が停滞したのは、これまでの市長や議会のせいだ」
「政治家がうまい汁を吸ってきたから、自分たちの生活が苦しいのだ」

こうした物語を土台に、相手を攻撃することで自分の被害者性や正当性を保とうとする。
この行動原理は、決して単純な“悪意”だけで説明できることではありません。
根底には、「社会から取り残される不安」や「尊厳が揺らぐ痛み」があるのだと思います。

誤った情報に飲み込まれる人が生まれてしまう背景には、個人の資質ではなく、むしろ社会構造そのものの歪みが存在するのではないでしょうか。

この激動の5か月を通じて、先に述べた仮説が確信に近いものとなりました。

すなわち、
いまの分断を駆動しているのが、イデオロギーではなく情報リテラシー社会の不安定さである。
ということです。

この傾向は三浦市に限った話ではありません。

ここ最近のニュースでも象徴的ですが、“政治×SNS”の負の側面が露わになっています。
本来は政治を身近にし、これまで届かなかった層へ情報を届けるための強力なツールであるはずなのに、独自のアルゴリズムにより、受け手にとって都合のいい真実味を帯びた仮説ばかりが選択的に取り込まれ(その人にとっての不都合な要素は排除され)、真実が見えにくくなってしまう。

発信する側・受け取る側の双方にリテラシーが備わっていなければ、SNSの価値は簡単に失われてしまいます。
市政運営が不安定となり、事実と異なる情報が支持や攻撃の材料として流通するたび、地域の信頼は傷ついていく——それを、この5か月間で痛感しました。

だからこそ、私は事実に基づく議論を重ね、どんな時でも誠実さを貫きたいと考えています。
社会の不安定さが増す時代だからこそ、政治に携わる者はなおさら、真実と向き合う姿勢を手放してはならないと強く感じています。

その真実を明らかにするために、議場や委員会室で市長や職員と対峙しながら議論を深めていくのが我々の仕事です。

自戒の念を込めて、胸の中のモヤモヤをここに書き綴ることで整理してみました。

振り返りに入ります。

目次(クリックで飛べます)

月曜日

議会運営委員会の行政視察のため、早朝から三浦を発ちます。

行き先は、滋賀県の日野町。

電車や新幹線、バスを乗り継ぎながら昼過ぎに到着。

日野町議会は、近年さまざまな議会改革に取り組むことで全国的に注目を集めています。

議会としての政策提言強化、議員の発言力の強化(一例として“一般質問の振り返り勉強会”の実施)、政策立案のためのアドバイザリー契約など、興味深い取り組みの中身を学ばせていただきました。

中でも個人的に感銘を受けたのは、本年6月からスタートした『通年制議会』の導入です。

議会は基本的に会期が定められており、仮に会期外に議会を開くためには、所定の条件を満たす手続きが必要になります。

三浦市でも基本的に6月、9月、12月、3月に行われる計4回の定例会が年間の主なスケジュールとなり、それ以外に開かれる議会を臨時会と呼びます。

こうした従来の「会期制」と対照的なのが、会期を特定の期間だけに区切らず、原則として1年間とする『通年制』です。
通年制では「閉会中」という状態をなくし、必要に応じていつでも本会議や委員会を開ける仕組みになります。

それぞれにメリットとデメリットがありますが、この細かい考察はここでは割愛。

ただ、間違いないのは通年制の方が議員としても業務の負担が増えるということです。

常に議会が開かれている状態なので、いつでも会議に招集される可能性がある(公務なので出席は義務)ということだからです。

実は県議会や比較的大きい自治体では、この通年制はもはやトレンドといっても差し支えないと思います。

でも、それは議員報酬だけで生活ができる(わかりやすく言うと、年収1000万円を超える)自治体の話。

彼ら彼女らは、在職中明らかに議員専業でメシが食っていけるからです。

しかし、日野町議会の議員報酬はなんと月23万円。(直近で26万4000円に増額)

当然ながら、福利厚生もゼロ。

すなわち、基本的に兼業をしなければ食べていけない立場である中でも、兼業に時間を割きにくくなる通年制を導入したということです。

この覚悟には感嘆しました。

このあたり、追って公開される報告書でもう少し細かく所感を書こうと思いますので、こうご期待ということで…

翌日の視察先の近くまで移動して、ホテルで宿泊。

火曜日

2日目は、滋賀県栗東市へ。

こちらでも議会改革、特に市民に開かれた議会のための取り組みを中心に学ばせていただきました。

WEBでの議会報告の実施、ワールドカフェ形式での議会報告会の展開など、一方的な議会の情報発信ではなく、市民の方との対話の機会を増やす施策の数々が印象的でした。

議会報告会のやり方については、我々としてもよりよいものを模索している真っ最中。

ファシリテートの工夫や当日の服装、広報内容まで、かなり具体的な部分まで深堀りして聞かせていただきました。

議会だよりやチラシも非常に親しみやすいようなデザインになっており、そのあたりも相当なご苦労があったとのことでした。

あっという間の2日間。

さまざまな葛藤の中で、本気で改革に挑む議員の皆様から、大いに刺激を受けました。

学びを必ず三浦の議会改革に生かしたいと思います。

快く視察を受け入れてくださった日野町、栗東市の皆様、本当にありがとうございました。

夜に帰宅。

1日でもこどもたちに会えないと寂しい気持ちでいっぱいです。

たくさんたくさん抱きしめました。

(こどもたちはどう思っているのかはあえて聞かず…)

水曜日

久々の駅立ちからスタート。

階段や下り坂以外は、なんとか平静を装って歩けるまでになってきました。

話をしに足を運んでくださった市民の方もいて、本当に嬉しかったです。

駅立ちは、政治家としての初心に帰らせてくれる時間。

これからも大切にしてまいります。

そのままの足でケースワーカー勤務へ。

我ながら前職で鍛えたタフネスは健在です。

木曜日

終日登庁。

午前中は、出口市長を対象にした調査特別委員会が開かれました。

この日は一連のSNSでの情報発信について、市職員に対してさまざまな質問を展開しました。

選挙期間中の投稿について、登庁後に職員からも複数の削除要請が行われたことが明らかになりました。

途中、市長本人もお呼びしての質問も行わせていただきました。

基本的にSNSの管理や投稿は、自分の手で行っている(選挙期間中の動画編集などは別)とのこと。

不適切な投稿は全て削除しているとのことでしたが、私の指摘で削除できていない投稿があることが判明し、出口市長が謝罪する一幕もありました。

これだけ議会側が問題として取り上げている中でのこの杜撰な対応。

あまりにも誠意を欠いていると感じました。

カナロコの記事にも取り上げられています。

次回の調査特別委員会は12月15日に予定。

この日は職員を主な対象とした質問だったので、市長本人にしっかりと説明を求めたいと思います。

午後は、市内の某施設を視察させていただきました。

その後役所に戻って、草間市議を対象とした政治倫理審査会が開かれました。

これまでの議論をまとめた報告書の内容が確認され、全会一致で承認。

これをもって、本審査会は散会となりました。

報告書はコチラにアップされておりますので、ご確認いただければ幸いです。

その後は各派代表者会議や打ち合わせがあり、15時ごろ退庁。

急ぎ足でアポイントをいただいていた市民の方との意見交換を実施。

大変有意義な時間となりました。

金曜日

ケースワーカー勤務の1日。

さすがに少し疲れて就寝。

土曜日

平日は朝から晩まで働き詰めで家族に迷惑をかけてしまったので、約2週間ぶりに終日家族で過ごす時間とさせていただきました。

家族がいるから、辛いことも乗り越えられます。

日曜日

この日も家族の日に。

みうら市民祭りを中心に、いろいろと楽しませていただきました。

関係者の皆様、本当にありがとうございました!

暴れん坊のこどもたちに振り回されてヘロヘロになりながらも、幸せを噛み締めます。

いつも通り妻とのタッグで家事や寝かしつけを終わらせ、倒れこむ前にこの記事を書いています。

今週のシェアオフィスTIME

今週も予定が詰まっており、実施なしとさせていただきます。

何度もお伝えしている通り、隙間時間はありますので、個別のアポイントはお気軽にご相談いただければと思います。

今週も充実した1週間でした。

一日一日をより大切にしてまいります。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

石﨑

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